企業史料協議会は、企業史料の保存・管理や収集、会社史の編纂にたずさわる人びと、産業史、会社史、企業史料などをもつ図書館、博物館、研究機関および関係分野の研究者相互の経験交流と研鑚によって、おのおのの業務の水準向上をはかることを目的としています。
企業活動の記録や企業の歴史的な設備・製品は、先達が残した貴重な文化遺産であり、これを後世に伝えることも企業の社会的な役割の一つです。
一方、現実の企業活動からみると、企業内情報のほとんどは、特定の事業・業務を進めるために利用され、当該活動の終息とともに不要になるという意味で、いわばフローとしての性格を本来のものとしています。従来は、そうした情報も、まず記録文書として発生していたため、結果的にストックとしての史料が形成されるケースが多かったといえます。しかし、近年の急速な情報化・デジタル化の進展によって情報の記録形態が変化し、史料の廃棄が早められるようになりますと、将来における史料利用だけでなく、史料の形成そのものが困難になってきます。
その意味で、これからは、ストックとしての企業史料の形成自体を意識して対策をたてなければならない時代になっているといえます。
企業史料協議会の諸活動は、こうした状況からも今日的な意義を持つものであります。
皆様のご参加をお待ちしております。 |