企業史料協議会は、経営史・企業史の研究およびその成果としての出版等を目的とする(一財)日本経営史研究所(1968年創立)、図書館、学会および企業関係者によって、1981年11月5日に設立されました。「企業史料の社会的ならびに歴史的価値の重要性を認識し、会員相互の交流をはかるとともに企業史料の収集・保存・管理についての調査研究を行い、その水準向上に資すること」を活動目的としており、日本で唯一のビジネスアーキビストの団体となっています。創立42周年にあたる2023年末時点では、会社企業を中心とする機関会員100機関、アーカイブズ関係研究者や協議会推薦者などの個人会員57名が加入しています。
近年、グローバル化や様々な技術革新によるデジタル化をはじめとして、日本企業を取り巻く環境が急速に変化する中で、企業経営において対処すべき課題はますます多様化・複雑化しています。足元では、リモートワークの普及・定着などによりデジタル活用が急速に進み、ペーパレス、ボーンデジタル、生成AIの活用など新たに対応すべき課題が日々更新されているところです。
そのような中で、ビジネスアーキビストには、アーカイブズを活用した企業経営への支援、すなわち、「役立つビジネスアーカイブズ」であることが期待されています。アーカイブズは、企業の存在証明、企業経営の透明性確保、経営理念や企業文化の継承、教育研修、マーケティング、製品開発、ブランディング、広報宣伝など、様々な場面において活用することができ、まさに企業経営にとっては不可欠な経営資源といえます。
企業史料協議会の会員においても、従来関心が高い会社史の編纂や企業博物館の設立・運営に加えて、企業史料の収集、保存、管理活用に対する関心が日々高まっており、その重要性が強く認識されてきています。
企業史料協議会では、かかる会員のニーズの変化を的確に捉え、大学などの研究機関等と連携を深めて知見を得ながら、新たな課題に対して積極的な取り組みを行なっています。引き続き企業史料の社会的ならびに歴史的価値の水準向上に向けて取り組んでまいりますので、企業史料協議会の活動へのご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
2024年2月吉日 |